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大企業については、2020年4月1日に施行済であり、中小企業においても2021年4月1日に施行された「同一労働同一賃金」について、その内容をご案内申し上げます。

同一労働同一賃金って何?で、どうしたらいいの?

同一労働同一賃金とは?

同一労働同一賃金とは、同じ仕事に就いている限り、正社員であるか、非正社員であるかを問わず、同一の賃金を支給するという考え方です。

非正社員を選択する労働者が増加している中、政府は働き方改革の一つとして、正社員と非正社員の間の不条理な待遇差を解消し、さまざまな働き方を選択できる社会になることを目指しています。

同一労働同一賃金の導入は、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者)ち非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間にある不合理な待遇差の解消を目指すものです。

いつから、何が義務化されるの

1.施行時期   大企業  2020年4月

         中小企業 2021年4月

2.同一労働同一賃金の義務化の内容

  正社員と非正規労働者の不合理な待遇差の禁止、派遣労働者の派遣先または同種業務労働者との均等待遇実施、正社員との待遇差の内容・理由の説明の義務化

「同一労働同一賃金」の中小企業の定義

業種  資本金の額または出資の総額  常時使用する労働者数

小売業    5,000万円以下      50人以下

サービス業  5,000万円以下     100人以下

卸売業      1億円以下       100人以下

その他      3億円以下       300人以下 

不合理な待遇差ってどういうこと?⇒従来は

従来は⇒旧労働契約法20条

(期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止)

第20条 有期労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件が、期間の定めがあることにより同一の使用者と期間の定めのない労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件と相違する場合においては、労外労働条件の相違は、労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下この条において「職務の内容」という。)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない。

⇒・正規・非正規の待遇の相違を設ける時は

 ・不合理でないこと。

不合理な待遇差ってどういうこと?⇒現在は

2020年4月からは⇒改正パート・有期雇用労働法8条

(不合理な待遇の禁止)

第8条 事業主は、その雇用する短時間・有期雇用労働者の基本給・賞与その他の待遇のそれぞれについて、当該待遇に対応する通常の労働者の待遇との間において当該短時間・有期雇用労働者及び通常の労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下「職務の内容」という。)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められるものを考慮して、不合理と認められる相違を設けてはならない。

⇒・相違を設けてはならない。

 ・設けるときは不合理でないこと。

重要判例について

平成30年10月と令和2年10月に、同一労働同一賃金に関する最高裁の判例が、相次いで出されました。

その判例は次の通りです。

①大阪医科薬科大学事件(令和2年10月13日  最高裁第三小法廷判決)

②メトロコマース事件(令和2年10月13日  最高裁第三小法廷判決) 

③日本郵便 大阪事件(令和21015日最高裁判所第一小法廷判決) 

④日本郵便 東京事件(令和21015日最高裁判所第一小法廷判決) 

⑤日本郵便 佐賀事件( 令和21015日最高裁判所第一小法廷判決) 

⑥ハマキョウレックス事件(平成30年6月1日 最高裁第二小法廷判決)

⑦長澤運輸事件(平成30年6月1日 最高裁第二小法廷判決)

重要判例の概要は、次の通りです。

①大阪医科薬科大学事件

アルバイトと正社員の労働条件の相違

ポイント

無期契約労働者に対して賞与を支給する一方で有期契約労働者に対してこれを支給しないという労働条件の相違が労働契約法(平成30年法律第71号による改正前のもの)20条にいう不合理と認められるものに当たらないとされた事例

事件

本件は、第1審被告を期間の定めのある労働契約(以下、有期労働契約)を締結していた第1審原告が、期間の定めのない労働契約(以下、無期労働契約)を締結している正社員呂第1審原告との間で、賞与、業務外の疾病(以下、私傷病)による欠勤中の賃金等に相違があったことは、労働契約法20条(平成30年法律第71号による改正前のもの)に違反するものであったとして、第1審被告に対し、不法行為に基づき、上記相違に係る賃金に相当する額等の損害賠償を求める事案である。

判断

1.賞与について

私立大学の教室事務を担当する無期契約労働者に対して賞与を支給する一方で、同事務を担当する時給制のアルバイト職員である有期契約労働者に対してこれを支給しないという労働条件の相違は、次の(1)~(5)など判示の事情の下においては、労働契約法(平成30年法律第71号による改正前のもの。以下同じ)20条にいう不合理と認めるものに当たらない。

(1)上記大学を運営する学校法人の無期契約労働者に対する賞与は、基本給とは別に支給される一時金として、財務状況を踏まえつつ、その都度、子宮の海や支給基準が決定されるものであり、労務の対価の後払いや一律の功労報償、将来の労働意欲の向上等の趣旨を含むものとして、無期契約労働者としての職務を遂行し得る人材の確保やその定着を図るなどの目的から支給することとされたものである。

(2)上記教室を担当する無期契約労働者とアルバイト職員の業務の内容は共通する部分はあるものの、上記無期契約労働者は、学内の英文学術誌の編集事務等、病理解剖に関する遺族等への対応や部門間の連携をする業務または毒劇物等の試薬の管理業務等にも従事する必要があり、両者の職務の内容に一定の相違があった。

(3)上記教室事務を担当する無期契約労働者は就業規則上、人事異動を命ぜられる可能性があったのに対し、アルバイト職員の人事異動は例外的かつ個別的な事情により行われており、両者の職務の内容および配置変更の範囲に一定の相違があった。

(4)上記学校法人においては、すべての無期契約労働者が同一の雇用管理の区分に属するものとして同一の就業規則等の適用を受けているところ、教室事務を担当する職員の業務の内容の過半が定型的で簡便な作業等があったために一部を除いてアルバイト惻隠に置き換えてきた結果、教室事務を担当する向き契約労働者は、業務の内容の難度や責任の程度が高く、人事異動も行われていた他の大多数の無期契約労働者と比較して極めて少数となっていた。

(5)学校法人には、アルバイト職員について、無期契約労働者へ段階的に職種を変更するための試験による登用制度が設けられていた。

2.私傷病による欠勤中の賃金について

無期契約労働者に対して私傷病による欠勤中の賃金を支給する一方で、アルバイト職員である第1審原告に対してこれを支給しないという労働条件の相違については、次の(1)~(5)などの判示の事情の下においては、労働契約法20条にいう不合理と認められるものに当たらない。

(1)無期契約労働者が長期にわたり継続して就労し、または将来にわたって継続して就労することが期待されることに照らし、無期契約労働者の生活保障を図るとともに、その雇用を維持するという目的から支給する制度である。

(2)~(5)上記1の(2)~(5)に同じ。

②メトロコマース事件

契約社員と有期契約社員との間の労働条件の相違

ポイント

無期契約社員に対して退職金を支給する一方で有期契約社員に対してこれを支給しないという労働条件の相違が労働契約法(平成30年法律第71号による改正前のもの)20条にいう不合理と認められるものに当たらないとされた事例

事件

本件は、第1審被告と期間の定めのある労働契約(平成30年法律第71号による改正前のもの)を締結している東京地下鉄株式会社の駅構内の売店における販売業務に従事していた第1審原告らが、第1審被告と期間の定めのない労働契約(以下、無期労働契約)を締結している労働者のうち上記業務に従事している者と第1審原告らとの間で、退職金等に相違があったことは労働契約法20条(平成30年法律第71号による改正前のもの)に違反するものであったなどと主張して、第1審被告に対し、不法行為等に基づき、上記相違に係る退職金に相当する額等の損害賠償等を求める事案である。

判断

地下鉄の駅構内の売店における販売業務に従事する無期契約労働者に対して退職金を支給する一方で、同業務に従事する有期契約労働者に対してこれを支給しないという労働条件の相違は、上記有期契約労働者が必ずしも短期雇用を前提としていたものとはいえないこと等をしんしゃくしても、次の(1)~(5)など判示の事情の下においては、労働契約法(平成30年法律第71号による改正前のもの)20条にいう不合理と認められるものに当たらない。

(1)上記販売店を経営する会社は、退職する無期契約労働者に対し、一時金として退職金を支給する制度を設けており、退職金規定により、その支給対象者の範囲や支給基準、方法等を定めていたところ、上記退職金は、無期契約労働者の職務遂行能力や責任の程度等を踏まえた労務の対価の後払いや継続的な勤務等に対する功労報償等の複合的な性質を有し、無期契約労働者としての職務を遂行し得る人材の確保やその定着を図るなどの目的から、さまざまな部署等で継続的に就労することが期待される無期契約労働者に対し支給することとされたものである。

(2)上記販売業務に従事する無期契約労働者と有期契約労働者の業務の内容はおおむね共通するものの、無期契約労働者は、休暇や欠勤で不在の販売員に代わって早番や遅番の業務を行う代務業務を担当していたほか、複数の売店を統括し、上記販売業務のトラブル処理等を行うエリアマネージャー業務に従事することがあったのに対し、有期契約労働者は、上記販売業務に専従していたものであり、両者の職務の内容に一定の相違があった。

(3)上記販売業務に従事する無期契約労働者は配置転換等を命ぜられる現実の可能性があったのに対し、同業務に従事する有期契約労働者は配置転換等を命ぜられることはなく、両者の職務の内容および配置の変更の範囲に一定の相違があった。

(4)上記会社においては、すべての無期契約労働者が同一の雇用管理の区分に属するものとして同じ就業規則等により同一の労働条件の適用を受けていたが、上記販売業務に従事する無期契約労働者は、本社の各部署や事業所等に配属され配置転換等を命ぜられることがあった他の多数の無期契約労働者とは職務の内容並びに当該職務の内容および配置の変更の範囲を異にしていたところ、関連会社等の再編成の経緯やその職務経験に照らし、賃金水準を変更したり、他の部署に配置転換等をしたりすつことが困難な事情があったことがうかがわれる。

(5)上記会社は、無期契約労働者へ段階的に職種を変更するための開かれた試験による登用制度を設け、相当数の有期契約労働者を無期契約労働者に登用していた。(補足意見および反対意見がある)

③日本郵便(大阪・非正規格差)事件

年末年始勤務手当・年始期間の勤務に対する祝日給、扶養手当、夏期冬期休暇における不合理な労働条件の相違

ポイント

郵便を業とする無期契約労働者と有期契約労働者との間で設けられていた、年末年始勤務手当、年始期間における勤務の代償としての祝日給、扶養手当、夏期冬期休暇の相違につき、労働契約法20条にいう不合理とされた事例

事件

 本件は、郵便事業等を営む1審被告(以下、Y社)と有期労働契約を締結して勤務し、または勤務していた1審原告(以下、Xら)が、無期労働契約を締結している労働者(以下、正社員)とXらとの間で、年末年始勤務手当、祝日給、扶養手当、夏期休暇および冬期休暇(以下、夏期冬期休暇)等に相違があったことは労働契約法(以下、労契法)20条(平成30年法律第71号による改正前のもの、以下同じ)に違反するものであったとして、Y社に対し、不法行為に基づき、上記相違に係る損害賠償を求める等の請求をした事案である。

 本件判決は(労判1229号67ページ)は、令和2年10月15日に最高裁で下されたいわゆる日本郵便3判決(東京、大阪、佐賀)のうち、大阪高裁平成31年1月24日判決(労判1197号5ページ)を原判決とする上告審判決である。

 原審判決(上記大阪高裁判決)は、年末年始勤務手当、祝日給のうち年始期間の扱い、夏期冬期休暇および病気休暇については、正社員とXらとの間の相違は直ちに不合理なものではないとしつつも、無期転換ルールを定めた労契法18条を援用し、通算契約期間が5年を超える有期契約労働者についてまで相違を設けることは不合理としていた。また、住居手当も、配転のない正社員とXらとの間にXらとの間に存在する格差を不合理を¥としたが、扶養手当は、もっぱら短期雇用を前提とする期間雇用社員の特性を理由に、相違の不合理を否定していた。なお、外務業務手当、郵便外務業務精通手当、早出勤務等手当、年始期間以外の祝日の勤務に対する祝日給、夏期手当および年末手当(夏期冬期休暇とは別)については、相違を不合理とはいえないとしていた。

 そこで、XらおよびY社の双方がともに、原審判決を不服として上告したのが本件である。なお、年末年始勤務手当、年始期間雄勤務に対する祝日給、扶養手当、夏期冬期休暇以外の相違については、上告不受理をもって原審判決の判断が確定している(確定したものには、通算契約期間が5年を越えない有期契約労働者について、病気休暇に関する相違につき不合理とはいえないよした部分も含まれることは注目される)。

 ことに、原審判決は、年末年始勤務手当、年始期間の勤務に対する祝日給、夏期冬期休暇および病気休暇については、正社員とXらとの間の相違が不合理な部部につき通算契約期間が5年を超える有期契約労働者に関するものに限っていた点で(「5年基準」ともいわれていた)、東京高裁判決と異なっており、最高裁がどのような判断、調整を行うかが注目されていた。

判断

[1]年末年始勤務手当について

 正社員に対して年末年始勤務手当を支給する一方で、契約社員であるXらに対してこれを支給しないという労働条件の相違は、労契法20条にいう不合理と認められるものに当たると解するのが相当とされた。この点に関する本件判決の説示は、上記の東京高裁を原審とする別件判決と同趣旨であるので、詳細はそちらを参照されたい。付言すれば、正社員とXらとの間の相違は直ちに不合理でないとしつつも通算契約期間が5年を超える有期契約労働者に限り、正社員との相違を不合理とした原審判決の説示を変更したものとなっており、その結果、そもそも「5年基準」も出現の余地がなくなっている。

[2]年始期間の勤務に対する祝日給について

 正社員への年始期間の勤務に対する祝日給は、特別休暇中の最繁忙期(年始期間)に勤務した代償と解されるが、本件契約社員は、契約期間が6カ月以内または1年以内とされており、また、有期労働契約の更新を繰り返して勤務する者も存在するんばど、繁忙期に限定された短期間の勤務ではなく、業務の繁閑に関わらない勤務が見込まれている。よって、年始期間の勤務の代償として祝日給を支給する趣旨は本件契約社員にも妥当する。 したがって、郵便の業務を担当する正社員と本件契約社員との間に労契法20条所定の職務の内容や当該職務の内容および配置の変更の範囲その他の事情につき相応の相違があること等を考慮しても、上記祝日給を正社員に支給する一方で本件契約社員に支給しないという相違があることは、不合理である。付言すれば、ここでも原判決は変更され、「5年基準」も出現しなくなっている。

[3]扶養手当について

 正社員に支給される扶養手当は、その生活保障や福利厚生を図り、扶養親族のある者の生活設計等を容易にさせることを通じて、その継続的な雇用を確保するという目的によるものであるが、上記目的に照らせば、本件契約社員についても、扶養補助があり、かつ、相応に継続的な勤務が見込まれるのであれば、扶養手当を支給することとした趣旨は妥当する。本件契約社員は、相応に継続的な勤務が見込まれているから、正社員と本件契約社員との間に労契法20条所定の勤務の内容や当該職務の内容および配置の変更の範囲その他の事情につき相応の相違があること等を考慮しても、両者の間に扶養手当に係る労働条件の相違があることは、不合理であるとされた。この点は、原審判決と結論が逆となっている。

[4]夏期冬期休暇について

 Y社における夏期冬期休暇は、有給休暇として所定の期間内に所定の日数を取得することができるものであるところ、契約社員であるXらは、所定の期間内に所定日数の有給休暇を取得できる夏期冬期休暇を与えられなかったことにより、当該所定の日数につき、本来する必要のなかった勤務をしたことによる財産的被害を受けたものとして、これと同旨の原審の判断を支持した。この点についての本件判決の説示は、上記の東京高裁を原審とする別件判決と同趣旨であるので、詳細はそちらを参照されたい。付言すれば、これについても結果として「5年基準」も出現の余地がなくなっている。

3.実務上のポイント

 本件判決も、上記東京高裁を原審とする別件判決同様、不合理性を認定された扶養手当も含め、比較的社会一般に広く見られる手当、労働条件につき、有期契約労働者と無期契約労働者との労働条件の相違を不合理とした判例であるため、実務上の影響は大きいといえる。

 同一労働同一賃金の不合理性の有無が、各事件の事案の内容と当事者の理論構成(説明の仕方)により、比較的、判断が左右されがちな争点であること、その意味で使用者側にとって、今後実務上、パートタイム・有期雇用労働法14条における、短時間労働者および有期雇用労働者と通常の労働者(フルタイム勤務の無期雇用労働者)との労働条件の相違についての説明義務の準備が重要なものとなることが予想されることは、上記東京高裁を原審とする別件判決についての解説で述べたところである。

 各論レベルでいえば、前述の「5年基準」が原則として否定された一方で、病気休暇については結果として「5年基準」が維持されていること、扶養手当についての相違につき不合理性が肯定されたことについては、前述のパートタイム・有期雇用労働法14条の説明義務の準備宇(およびその説明の合理性の検証)につき留意すべき点である。扶養手当も、各企業においてその制度設計を内容には差があり、そこから説明され得る趣旨目的も違いがあると思われるため、各企業の制度設計等に沿った理論構成の検証が必要となろう。

④日本郵便(東京・時給制契約社員ら)事件

令和年末年始勤務手当、紡機休暇、夏期冬期休暇における不合理な労働条件の相違

ポイント

郵便業務を担当する無期契約労働者と有期契約労働者との間で設けられたいた、年末年始勤務手当、病気休暇、夏期冬期休暇の取り扱いの差異につき、不合理な格差であるとされた事例

事件

 本件は、郵便事業等を営む1審被告(以下、Y社)と有期労働契約を締結している時給制契約社員である1審原告ら(以下、Xら)が、無期労働契約を締結している郵便事業に従事する労働者(以下、正社員)とXらとの間で、年末年始勤務手当、病気休暇、夏期休暇および冬期休暇(以下、夏期冬期休暇)等に相違があったことは労働契約法(以下、労契法)20条(平成30年法律71号による改正前のもの。以下同じ)に違反するものであったと主張して、Y社に対し、不法行為に基づき、上記相違に係る損害賠償等の請求をした事案である。

 本件判決(労判1229号)は、令和2年10月15日に最高裁で下されたいわゆる日本郵便3判決(東京、大阪、佐賀)のうち、東京高裁平成30年12月13日判決(労判1198号)を原審判決とする上告審判決である。

 本件判決の原審判決は、Xらと正社員との間の年末年始勤務手当の差額、住居手当の差額の請求を労契法20条違反として認容した。また、病気休暇について、日数の相違は不合理ではないが、正社員は有給としているのに対し、Xらは無給としていることは労契法20条違反であるとして、無給の病気休暇に代わって取得した年次有給休暇の賃金相当分の損害賠償請求を認めたが、正社員らと異なりXらにつき夏期冬期休暇が付与されていなかったことは労契法20条違反としつつ損害の立証がないとして損害賠償請求を棄却した。他方、外務業務手当、早出勤務手当、祝日給、、夏期年末手当(夏期冬期休暇とは別)、夜間特別勤務手当、郵便外務・内務業務精通手当の相違は不合理な相違とはいえないとした。

 敗訴部分につき双方が上告した結果、まず、Y社の敗訴部分である住居手当については上告不受理となり(労働条件の相違が労契法20条の付議お売りと確定)、他方、Xらの敗訴部分については、病気休暇および夏期冬期休暇を除き、上告不受理となった(請求棄却が確定)。

 その上で、年末年始勤務手当、病気休暇、夏期冬期休暇につき判断したのが本件判決である。

判断

[1]年末年始勤務手当について

 12月29日から翌年1月3日までの間において実際に勤務したときに支給されるものであることからすると、郵便業務についての最繁忙期であり、多くの労働者が休日として過ごしている上記の期間において、同業務に従事したことに対し、支給される対価としての性質を有する。また、従事した業務の内容やその頻度等に関わらず、実際に勤務したこと自体を支給要件とするものであり、その支給金額も、実際に勤務した時期と時間に応じて一律である。このような年末南氏勤務手当の性質や支給要件および支給金額に照らせば、その趣旨は、郵便の業務を担当する時給制契約社員にも妥当する。そうすると、郵便の業務を担当する正社員と時給制契約社員との間に労契法20条所定の職務の内容や当該職務の内容および配置の変更の範囲その他の事情につき相応の相違があること等を考慮しても、両者の間に年末年始勤務手当に係る労働条件の相違があることは、労契法20条にいう不合理と認められるものに当たる。

[2]病気休暇について

 有期契約労働者と無期契約労働者の労働条件の相違が労契法20条にいう不合理と認められるものであるか否かを判断するに当たっては、賃金以外の労働条件の相違についても、賃金と同様に、個々の労働条件が定められた趣旨を個別に考慮すべきである。

 正社員に対して有給の病気休暇が与えられているのは、長期にわたり継続して勤務することが期待されることから、その生活保障を図り、私傷病の療養に専念させることを通じて、その継続的な雇用を確保するという目的による。上記目的に照らせば、時給制契約社員はについても、相応に継続的な勤務が見込まれるのであれば、上記の趣旨は妥当する。時給制契約社員は、Xらのように有期労働契約の更新を繰り返して勤務する者が存するなそ、相応に継続的な勤務が見込まれていり。労契法20条所定の職務の内容や当該職務の内容および配置の変更の範囲その他の事情につき相応の相違があること等を考慮しても、私傷病による病気休暇の日数につき相違を設けることはともかく、これを有給とするか無給とするかにつき労働条件の相違があることは、不合理である。

[3]夏期冬期休暇について

 原審は、夏期冬期休暇の有無の相違は労契法20条にいう不合理と認めるものの、Xらが無給の休暇を取得したこと、夏期冬期休暇が与えられていればこれを取得し賃金が支給されたであろうことの事実の主張立証はないとして、Xらの請求を棄却した。

 しかし、夏期冬期休暇は、有給休暇として所定の期間内に所定の日数を取得することができるものであるところ、Xらは、夏期冬期休暇をあたえられなかったことにより、当該所定の日数につき、本来する必要がなかった勤務をせざるを得なかったものといえるから、上記勤務をしたことによる財産的損害を受けたものということができる。原審の判断には、不法行為に関する法令の解釈適用を誤った違法がある。

3.実務上のポイント

 本件判決は、上告不受理により確定した住居手当と併せて、年末年始勤務手当、病気休暇、夏期冬期休暇といった、比較的社会一般に広く見られる手当、労働条件につき、有期契約労働者と無期契約労働者との労働条件の相違につき不合理とした判例であるため、実務上の影響は大きく、労使双方(ことに使用者側)にとり留保すべき裁判例である。

 もっとも、同一労働同一賃金の不合理性はの有無は、メトロコマース事件最高裁判決(最高裁三小 令2.10.13判決)、学校法人大阪医科薬科大学事件最高裁判決(最高裁三小 令2.10.13)、長澤運輸事件最高裁判決(最高裁二小 平30.6.1判決)のように、下級審の結論を変更することが少なくないことからうかがえるように、各事件の事案の内容と当事者の理論構成(説明の仕方)により、比較的、判断が左右されがちな争点でもある。

 その意味で、使用者側にとって、今後、実務上、重要となりそうなのが、パートタイム・有期雇用労働法14条における、短時間労働者および有期契約労働者と通常の労働者(フルタイム勤務の無期契約労働者)との労働条件の趣旨、目的および運用(ことに相違の有無、程度の変更をしょうじせしめる要件)に照らして理論構成を重ねておくことの重要性である。それは、万一紛争になった場合、使用者企業として主張の一貫性(つまりが信頼性)を確保するために必須である上、そもそも理論構成の検証の機会を持ち得る。むろん、理論構成に無理があると判断した場合、早めに制度変更をけんおつすべきことになろう。

 なお、各論レベルでいえば、本件判決に至る前に上告不受理で確定となった住居手当(相違につき不合理性を肯定した原審判決を維持)については、一般的に見られる手当である上に金額も大きいが、使用者によってその趣旨、運用が異なるところがあるので、前述の検証(場合によっては制度見直し)の必要性が大きいといえる。

⑤日本郵便(佐賀中央郵便局)事件

夏期冬期休暇における不合理な労働条件の相違

ポイント

夏期冬期休暇について、正職員に付与される一方で、時給制契約社員に付与されないことが、旧労働契約法20条にいう不合理な労働条件の相違であるとされた事例

事件

  本事案は、郵便事業等を営む1審被告(以下、Y1社)との間で有期労働契約を締結し、時給制契約社員として、郵便の集配業務等に従事していた1審原告(以下、X)が、Y1社を相手に提訴し、①労働基準法37条に基づく、時間外割増賃金等、②不法行為に基づく、時間外割増賃金相当額の損害賠償等、③平成25年12月16日勤務分および翌日17日から平成26年1月21日までのうち23日間文の年次有給休暇使用分の各未払賃金等、④付加金等、⑤不法行為に基づき、有期契約労働の不合理な労働条件の禁止(労働契約法(以下、労契法)20条違反)に関する損害賠償金等を求めたものである(なお、本件において、XはY1社が運営する郵便局で部長職を務めていたY2に対しても不法行為に基づく損害賠償等を請求しているが、本稿では割愛する)。

 本件(労判1229号)は、福岡高裁平成30年5月24日判決を原審判決とする上告審判決であり、その中心的争点は、正職員と有期労働契約社員との労働条件の相違が旧労契法20条に照らして不合理なものであるか否かである。問題となった労働条件の相違の項目としては、基本賃金・通勤費、祝日給、早出勤務手当、夏期年末手当、作業能率評価手当、外務業務手当、夏期冬期休暇と多岐に及び、これらのうち、夏期冬期休暇以外の項目については、旧労契法20条にいう不合理とは認められないとの原審判決の判断部分は上告が受理されずに確定した(原審判決の判断を是認)。夏期冬期休暇の部分について上告が受理されたのが本件である。

判断

[1]労働条件の相違が不合理であるか否かの判断の対象

 有期労働契約を締結している労働者と無期労働契約を締結している労働者との個々の賃金項目に係る労働条件の相違が労契法20条にいう不合理と認められるものであるか否かを判断するに当たっては、両者の賃金の総額を比較することのみによるのではなく、当該賃金項目の趣旨を個別に考慮すべきものである(長澤運輸事件 最高裁二小 平30.6.1判決)。

[2]夏期冬期休暇の相違が不合理と認められるか否かの判断

 Y1社において、郵便の業務を担当する正社員に対して夏期冬期休暇が与えられているのは、年次有給休暇や病気休暇等とは別に、労働から離れる機会を与えることにより、心身の回復を図るという目的によるものであると解され、夏期冬期休暇の取得の可否や取得し得る日数は上記正社員の勤続期間の長さに応じて定まるものとはされていない。

 郵便の業務を担当する時給制契約社員は、契約期間が6カ月以内とされるなど、繁忙期に限定された短期間の勤務ではなく、業務の繁閑に関わらない勤務が見込まれているのであって、夏期冬期休暇を与える趣旨は、上記時給制契約社員にも妥当する。したがって、郵便の業務を担当する正社員を同業務を担当する時給制契約社員との間に労契法20条所定の職務の内容や当該職務の内容および配置の変更の範囲その他の事情につき相応の相違があること等を考慮しても、両者の間に夏期冬期休暇に係る労働条件の相違があることは、不合理であると評することができる。

 以上より、郵便の業務を担当する正社員に対して夏期冬期休暇を与える一方で、郵便の業務を担当する時給性契約社員に対して夏期冬期休暇を与えないという労働条件の相違は、労契法20条にいう不合理と認められるものに当たると解するのが相当であって、Xには、夏期冬期休暇所定の日数分の賃金に相当する額の損害が認められる。

3 実務上のポイント

 本判決は、旧労契法20条に関し、令和2年10月13日および同月15日に出された最高裁判決5件のうちの1件であり、日本郵便(東京・時給制契約社員ら)事件(最高裁一小 令.10.15判決 労判1229号58ページ)、日本郵便(大阪・非正規格差)事件(最高裁一小 令2.10.15判決 労判1229号677ページ)と総称して、巷間では、「日本郵便3判決」とも言われている。

 本判決では、夏期冬期休暇の性質・目的につき、年次有給休暇等とは別に、労働から離れる機会を与えることにより、心身の回復を図るという目的であるとされ、そうであれば、職務の内容や、職務内容および配置の変更の範囲(つまりは、仕事の内容、仕事の種類や役割の変化の有無)については正職員と異なるとしても、上記の目的の趣旨について相違を設けるのは不合理であると判断されたものである。これは、まさに、相違が問題となった労働条件の「当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして」考慮すべしという改正パートタイム・有期雇用労働法8条の規定にも明記されたところであって、今後もこのような考慮、検討が実務上も求められることは言うまでもない。

 なお、本件判決自体は、原審判決の一部分(夏期冬期休暇)についての説示をさらに論理的に明瞭にしたにとどまるとも評価し得るが、原審判決において不合理性が否定され上告が不受理となった部分部分には、一般的に見られる項目(基本賃金・通勤費、賞与)についての判断も含まれ、そのうち、特に賞与については、学校法人大阪医科薬科大学事件(最高裁三小 令2.10.13判決、労判1229号77ページ)においても問題となり、不合理性が否定されている。

 無論、同一労働同一賃金び不合理性の判断は、メトロコマース事件最高裁判決(最高裁三小 令2.10.13判決、労判1229号90ページ)、学校法人大阪医科薬科大学事件最高裁判決、長澤運輸事件最高裁判決等にも見られたように、下級審の判決が上級の裁判所によって使用者に有利に変更されることが少なくなく、各事件の事案の内容と当事者の理論構成により、比較的、判断が左右されがちな争点と言える。したがって、裁判例に過度に盲従して実務上の判断を行うことには慎重を要する。

 それでも、本件原審判決および学校法人大阪医科薬科大学事件の最高裁判決が、いずれも、使用者が賞与を支給する目的(名分とも言えよう)について、「功労報償的な性格や将来の労働への意欲向上としての性格、有為な人材の獲得・定着を図る必要性がある」「単純に支給の対象となる期間における会社への貢献度のみを勘案して・・・いるわけではない」「正職員の賃金体系や求められる職務遂行能力及び責任の程度等に照らせば・・・正職員としての職務を遂行し得る人材の確保やその定着を図る」といった、いわば短期的な貢献度よりは、中長期的な使用者への貢献度および使用者の人事施策の必要性といった事情をさいようしていることは、実務上、参考にすべきものと思われる。

⑥ハマキョウレックス事件

契約社員と正社員との不合理な労働条件の相違

ポイント

契約社員の労働条件の一部が、正社員と比較し不合理とされ無効となり、その差額分につき不法行為による損害賠償が認められた令

[1]事案

 本事案は、一般貨物自動車運送事業等を目的としたY社に対し、そのY社において有期契約労働者として配車ドライバーをしていた従業員Xが、諸手当(無事故手当、作業手当、給食手当、住宅手当、皆勤手当、家族手当、通勤手当)、賞与、定期昇給および退職金の支給に関し、無期契約労働者である正社員との間で労働条件に不合理な相違があるとして、公序良俗違反または労働契約法(以下、法)20条違反による無効を主張するとともに、諸手当等について正社員と同一の権利を有することを主張し、その差額分を請求した事案である。

 差戻後一審(大津地裁彦根支部 平27.9.161判決 以下、一審)は、諸手当等のうち通勤手当のみに法20条違反による無効を認定する一方で、無効になった労働条件について正社員と同一の労働条件とはならず、会社は不合理な取り扱い(法20条違反)をしたことに対して不法行為責任を負うにとどまるとし、不法行為責任の限度で差額分の支払いを認めた。一方、差戻後控訴審(大阪高裁 平28.7.26判決 以下 原審)は、法20条違反による無効を認定を無事故手当、作業手当、給食手当、通勤手当まで広げ、無効の法的効果については一審同様、民法709条の不法行為責任の限りで認めた。

 これに対し一審被告(Y社)が上告、一審原告(X)が附帯上告したのが本事案である。なお、家族手当、賞与の支給、定期昇給および退職金の支給については、上告審の判旨上では判断がなされておらず、附帯上告受理の決定において排除された可能性が考えられる。

[2]本事案における主な争点

 上告審においても、一審、原審と同様、以下の点が主な争点になっている。

●争点1:法20条違反により契約社員Xの労働条件が無効となった場合、Xに対し正社員と同一の労働条件が適用されるか

●争点2:契約社員Xについての諸手当の支給に関する労働条件が、正社員と比較して不合理であるとして法20条違反により無効となるか

<参考>労働契約法20条

(期間の定めのあることによる不合理な労働条件の禁止)

第20条 有期労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件が、期間の定めがあることにより同一の使用者と期間の定めのない労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件と相違する場合においては、当該労働条件の相違は、労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下この条において「職務の内容」という。)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない。

[1]一審、原審との比較

 上告審は、争点1に関して、本事案において法20条違反により無効となったXの労働条件につおて、一審、原審と同様、正社員と同一の就業規則等を適用して正社員と同一の労働条件とすることは否定した。

 その上で、争点2に関し、本事案の諸手当が法20条違反であるか(正社員と比較して不合理であるか[不合理性])について諸手当ごとに個別に検討を行い、以下のとおり、最終的に一番、原審よりも広い範囲で諸手当の法20条違反を認定し、その限りで不法行為による損害賠償を認めた。

一審   法20条違反肯定   通勤手当

     法20条違反否定   無事故手当、作業手当、給食手当、住宅手当、皆勤手当

原審   法20条違反肯定   無事故手当、作業手当、給食手当、通勤手当

     法20条違反否定   住宅手当、皆勤手当

上告審  法20条違反肯定   無事故手当、作業手当、給食手当、通勤手当、皆勤手当

     法20条違反否定   住宅手当

[2]争点1について

 上告審は、法20条は私法上の効力を有するものであり、その違反の法的効果として、一審、原審同様、同条に違反する労働条件の相違を設ける部分は無効となるとした。

 一方で、上告審は、法20条について、「有期契約労働者と無期契約労働者との間で労働条件に相違があり得ることを前提に、職務の内容、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情(以下「職務の内容等」という。)を考慮して、その相違が不合理と認められるものではあってはならない」とし、「有期契約労働者について無期契約労働者との職務の内容等の違いに応じた均衡のとれた処遇を求める規定」であるとした上で、「文言上も、両者の労働条件の相違が同条に違反する場合に、当該有期契約労働者の労働条件が比較の対象である無期契約労働者の労働条件と同一のものとなる旨を定めていない」ことから、同条の効力によって、当該契約社員に比較の対象である正社員と同一の両同条件が適用されることを否定した。

 加えれ、正社員に適用される就業規則および給与規定と、契約社員に適用される就業規則とか別個独立に作成されることを等に鑑み、双方の労働条件の相違が法20条に違反する場合に、契約社員に正社員の就業規則および給与規定で定める労働条件が適用されることになると解することは、就業規則の合理的な解釈としても困難であるとして否定された。

[3]争点2について

 上告審は、法20条の解釈について、以下のように判断した。

(1)「期間の定めがあることにより」とは、有期契約労働者と無期契約労働者との労働条件の相違が期間ンお定めの有無に関連して生じたものであることをいう

(2)「不合理と認められるもの」とは、有期契約労働者と無期契約労働者との労働条件の相違が不合理であるとと評価することができるものであることをいう

その上で、諸手当について個別の判断を行った。

具体的に、上告審は、本事案における正社員と契約社員の相違について主として以下のような点を挙げた。

①職務の内容(労働者の業務の内容および当該業務に伴う責任の程度)

⇒相違なし

②職務の内容および配置の変更の範囲

正社員:出荷を含む全国規模の広域異動の可能性があり、等級役職制度が設けられ、職務遂行能力に見合う等級役職への各付けを通じて、将来、Y社の中核を担う人材として登用される可能性あり

契約社員:就業場所の変更や出向は予定されず、将来、Y社の中核を担う人材として登用される予定もなし⇒相違あり

これらを考慮事情として踏まえて、個々の諸手当に関する法20条における不合理性の判断を以下のように認定した。

住宅手当⇒不合理性を否定  

住宅手当は、従業員の住宅費用の補助の趣旨で支給されるところ、契約社員は就業場所の変更が予定されていないのに対し、正社員は転居を伴う配転が予定されたおり、契約社員と比較して住宅費用が多額となり得る

皆勤手当⇒不合理性を肯定

皆勤手当は、Y社が運送業務を円滑に進めるには実際に出勤するトラック運転手を一定数確保する必要があることから、皆勤を奨励する趣旨で支給されるところ、

① 契約社員と正社員との職務の内容は異ならない

② 上記支給の必要性は、将来の転勤や出向の可能性や、Y社の中核を担う人材として登用される可能性の有無といった事情により異なるとはいえない

無事故手当⇒不合理性を肯定

無事故手当は、優良ドライバーの育成や安全な輸送による顧客の信頼の獲得を目的として支給されるところ、

①契約社員と正社員との職務の内容は異ならない

②上記支給の必要性は、将来の転勤や出向の可能性や、Y社の中核を担う人材として登用される可能性の有無といった事情により異なるとはいえない

③その他、当該手当に相違を設けることが不合理であるという評価を妨げる事情もない

作業手当⇒不合理性を肯定

作業手当は、特定の作業を行った対価として支給されるものであるところ、

①契約社員と正社員との職務の内容は異ならない

②職務の内容および配置の変更の範囲が異なることにより、行った作業に対する金銭的評価が異なるものではない

③その他、当該手当に相違を設けることが不合理であるという評価を妨げる事情もない

通勤手当⇒不合理性を肯定

通勤手当は、通勤に要する交通費を補填する趣旨で支給されるところ、

①労働契約に期間があるか否かで通勤費用が異なるものではない

②職務の内容および配置の変更の範囲が異なることは、通勤費用の多募とは直接関連しない

③その他、当該手当に相違を設けることが不合理であるという評価を妨げる事情もない

 その結果、法20条違反として無効とされた皆勤手当については、破棄差し戻しを行い、同様に法20条違反として無効とされていた無事故手当、作業手当、給食手当、通勤手当に関しては原審を維持し、損害賠償を認めた。

[実務上のポイント]

上告審のポイントは、大きく分けて2点ある。

一つめは、法20条の不合理性の判断を手当ごとに詳細に行った点である。そして、各手当の不合理性の判断をするに当たっては、法20条の考慮要素を含め、以下の点を検討した上で判断している。

①当該手当の性質

②当該手当の性質と職務の内容(労働者の業務の内容および当該職務に伴う責任の程度)との関係

③当該手当の性質と当該職務の内容および変更の範囲との関係

④その他の事情の有無

 以上に鑑みると、契約社員の賃金を検討する際には、単に、正社員と契約社員の職務内容や、職務の内容および配置の変更の範囲に相違があるという理由から、各種手当の名称に関わりなく差異を設けるのではなく、当該手当の性質、代替手段の有無等を手当ごとに考慮していく必要がある。

 なお、法20条については、今回の働き方改革関連法案(働き方改革を推進するための関連法律の整備に関する法律案、以下、改正法)に関する改正により削除され、「短時間労働者の雇用維持の改善等に関する法律」に統合されることとなった(改正法8条)のみならず、差罰的取扱いの禁止(改正法9条)も定められ、より厳格な対応が必要とされることとなる。ただし、基本的な考え方は、本上告審の考え方が踏襲されるものと思われる。この点については、平成28年12月20日付けの「同一労働同一賃金のガイドライン案」が出されているが、今後正式なガイドラインが出され、より詳細な考え方が提示されることになろう。

 二つ目は、法20条違反の法的効果である。上告審では、法20条は私法上の効力を有し、違反の効果として、同条に違反する労働条件の相違を設ける部分を無効とする一方で、無効となった契約社員の労働条件に関し、比較された正社員の労働条件をただちに適用することを否定している。本事案では、正社員に適用される就業規則と、契約社員に適用される就業規則とが別個独立に作成されていることを踏まえ、法20条に違反する場合に、契約者音に正社員の就業規則を適用することは、就業規則の合理的な解釈として困難であるとしている。したがって、例えば、正社員と契約社員に適用されている就業規則が別個独立に作成されていないようなケースでは、正社員と同様の労働条件が適用される余地は残されている記載となっているので注意が必要である。

 少なくとも、万が一、法20条違反により契約社員の労働条件が無効となった場合であっても、契約社員の労働条件について新たに検討する余地を残すためには、できる限り契約社員独自の就業規則を作成しておくということが必要となろう。

⑦長澤運輸事件

定年後再雇用者と正社員との賃金相違における労働契約法20条違反の有無

ポイント

 運雄会社の運転手が、定年退職後、使用者と期間の定めのある雇用契約を締結して再雇用され、定年後を同じ運転業務に従事していたにもかかわらず、定年前よりも給与が減額されたことについて、一部の手当について労働契約法20条に違反すると判断した事例

事件

一般貨物自動車運送事業を行う長澤運輸株式会社(被上告人[行使人、一般被告]。以下、Y社)を定年退職した後に、Y社との間で期間の定めのある労働契約(以下、有期労働契約)を締結して嘱託職員として就労している上告人ら(被控訴人、一審原告。以下、Xら)が、Y社と期間の定めのない労働契約を締結している従業員(以下、無期契約労働者)との間に、労働契約法(以下、労契法)20条に違反する労働条件の相違があると主張して、①上記従業員に関する就業規則等が適用される労働契約上の地位にあることの確認を求めるとともに、労働契約に基づき、上記就業規則等により支給されるべき賃金と実際に支給された賃金との差額およびこれに対する遅延損害金の支払いを求め、②予備的に、不法行為に基づき、上記差額に相当する額の損害賠償金およんびこれに対する遅延損害金の支払いを求める事案である。

 本件の争点は、①労契法20条違反の有無、②労契法20条違反が認められる場合におけるXらの労働契約上の地位(主位的請求関係)、③不法行為の成否および損害の金額(予備的請求関係)である。

一審判決の判断

[1]争点①(労契法20条違反の有無):違反を認定

(1)判断基準

(ⅰ)有期契約労働者の職務の内容ならびに(ⅱ)当該職務の内容および配置の変更の範囲が「無期契約労働者と同一であるにもかかわらず、」労働者にとって重要な労働条件である賃金の額についてみゅうき契約労働者に無期契約労働者との間に相違を設けることは、その相違の程度にかかわらず、これを正当と解すべき特段の事情がない限り、不合理である」。

(2)本件事情の下での検討

 嘱託社員であるXらと正社員との間には、業務の内容および当該業務に伴う責任緒程度に差異がなく、Y社が業務の都合により勤務場所や業務の内容を変更することがある点でも両者に差異はなく(上記(ⅰ))(Ⅱ)が同一)、前記特段の事情があるとは認められず、労契法20条に違反していると判断した。

[2]争点②(Xらの労働契約上の地位):正社員就業規則の適用を否定

 「Y社の正社員就業規則が原則として全従業員に適用されるものとされており、嘱託者についてはその一部を適用しないことがあるというにとどまることからすれば、嘱託社員の労働条件が無効である場合には、正社員就業規則の規定が原則として全従業員に適用される旨の同規則3条本文の定めに従い、嘱託社員の労働条件のうち無効である部分については、正社員就業規則その他の規定が適用される」として、Xらの賃金の定めが正社員の賃金の定めと同じになることを認めた。

2.控訴審判決の判断

[1]争点①(労契法20条違反んお有無):違反無し

(1)判断基準

 労契法20条は、有期契約労働者と無期契約労働者の間に労働条件の相違が不合理と認められるか否かの考慮要素として、(ア)職務の内容、(イ)当該職務の内容および配置の変更の範囲、(ウ)その他の事情を揚げており、上記(ア)および(イ)に関連する諸事情を幅広く総合的に考慮して判断すべきである。

(2)本件事情の下での検討

①(ア)(イ)について

 嘱託社員であるXらと正社員の間における上記(あ)(イ)は、おおむね同じであると認められる。

②(ウ)について

 従業員が定年退職後も引き続いて雇用されるに当たり、賃金が引き下げられるのは公知の事実であり、定年後再雇用者の賃金を定年時より引き下げることそれ自体が不合理であるということはできないし、また、上記ベース(ア)(イ)が変らないまま相当程度賃金を引き下げることは広く行われていると判断した。そして、年収ベースで2割前後賃金が減額になっていることが不合理とは認められないと判断している。

 また、Y社が労働組合と定年後再雇用者の賃金水準等の労働条件に関する一定程度の協議を行い、Y社が労働組合の意見や主張を聞いて一定の労働条件の改善を実施したことは、考慮すべき要素になると判示した。

3.最高裁判決の判断

[1]争点①(労契法20条違反の有無):一部違反あり

(1)判断基準

 労契法20条が、(ア)職務の内容、(イ)当該職務の内容および配置の変更の範囲、(ウ)その他の事情の違いに応じた均衡のとれた処遇を求める規定であり、使用者は、雇用および人事に関する経営判断の観点からさまざまな事情を考慮して労働者の賃金に関する労働条件を件乙しており、また労走者の賃金に関する労働条件の在り方については、基本的には、団体交渉等による労使自治に委ねられるべき理由はない。使用者が定年退職者を有期労働契約により再雇用する場合、当該者を長期間雇用することは通常予定されていないこと、また当該者は定年退職するまでの間、無期契約労働者として賃金の支給を受けてきたものであり、一定の要件を満たせば老齢厚生年金の支給を受けることも予定されていることからすれば、有期契約労働者が定年退職後に再雇用された者であることは、(ウ)として考慮されることになる事情に当たる。

(2)本件の検討

 労働者の賃金が複数の賃金項目から構成されている場合、個々の賃金項目に係る賃金は、通常、賃金項目ごとに、その趣旨を異にしており、その趣旨により、その考慮すべき事情や考慮の仕方も異なり得ることからすれば、有期契約労働者と無期契約労働者との個々の賃金項目に係る労働条件の相違が不合理と認められるものであるか否かを判断するに当たっては、両者の賃金の総額を比較することのみによるものではなく、当該賃金項目の趣旨を個別に考慮すべきものとす解するのが相当である。

①能率給および職務給

 Y社は、Xらについて、基本賃金および歩合給を合計した金額並びに正社員と同様の基本給、能率給および職務給を試算した金額の差は2~12%にとどまっていること、嘱託乗務員は一致の要件を満たせば老齢厚生年金の支給を受けることができること、老齢厚生年金の報酬比例部分の支給がかいしされるまでの間、嘱託乗務員に対して2万円の調整給が支給されることからすれば、不合理と評価することはできない。

②精勤手当

 従業員に対して休日以外は1日も欠かさず出勤することを奨励する趣旨で支給されるものであり、被上告人の嘱託乗務員と正社員との職務の内容が同一である以上、両者の間で、その解禁を奨励する必要性に相違はないから、嘱託乗務員にこれを支給しないのは不合理である。

③住宅手当および家族手当

 住宅手当は従業員の住宅費の負担ん位対する補助として、家族手当は従業員の家族を扶養するための生活費に対する補助として、提供する労務を金銭的に評価して支給されるものではなく、従業員に対する福利厚生および生活保障の趣旨で支給されているから、使用者がそのような賃金項目の要否や内容を検討するに当たっては、上記の趣旨に照らして、労働者の生活に関する諸事情を考慮することになるものと解される。Y社における正社員には、幅広い世代の労働者が存在し、住宅費および家族手当を扶養するための生活費を補助することには相応の理由があるのに対し、嘱託乗務員は、定年退職した者であり、老齢厚生年金の支給を受けることが予定され、その報酬比例部分の支給が開始されるまでは調整給を支給されることとなっているものであるから、住宅手当および家族手当を支給しないことが不合理とはいえない。

④役付手当

 役付手当は、正社員の中から指定された役付者であることに対して支給されるものであるから、嘱託乗務員に支給しないことは不合理とはいえない。

⑤超勤手当

 嘱託乗務員に精勤手当を支給しないことは、不合理であると評価することができ、正社員の超勤手当の計算の基礎に精勤手当が含まれるにもかかわらず、嘱託乗務員の時間外手当の計算の基礎には精勤手当が含まれないという労働条件の相違は、不合理であると評価することができる。

⑥賞与

 賞与は、月例賃金とは別に支給される一時金であり、労務の対価の後払い、功労報償、生活費の補助、労働者の意欲向上等といった多様な趣旨を含み得る。嘱託社員は、定年退職に当たり退職金の支給を受けるほか、老齢厚生年金の支給を受けることが予定され、その報酬比例部分の支給が開始されるまでの間は調整給の支給を受けることも予定されている。嘱託乗務員の賃金(年収)は定年退職前の79%程度となることが想定されるから、嘱託乗務員に支給しないという相違は不合理とはいえない。

[2]争点②(Xらの労働契約契約上の地位):補充効を否定

 有期契約労働者と無期契約労働者との労働条件の相違が同条に違反する場合であっても、同条の効力により、当該有期契約労働者の労働条件が比較の対象である無期契約労働者の両同条件と同一のものとなるものではないと解するのが相当である。

[3]争点③(不法行為の成否および損害の金額):不法行為の成立を肯定

 本件組合との団体交渉において、嘱託乗務員の労働条件の改善を求められていたという経営に鑑みても、Y社が、嘱託乗務員に精勤手当うぃ支給しないという違法な取扱いをしたことについては、過失があった。

 Xらが正社員であれば支給を受けることができた精勤手当の額に相当する損害を被ったということができる。時間外手当についても、不法行為に基づく損害賠償責任を負う。

【実務上のポウイント】

【1】労契法20条の判断基準

 労契法20条の判断基準、とりわけ本件においては、(ア)職務の内容、(イ)当該職務の内容およに配置の変更の範囲、(ウ)その他の事情の取り扱いについて、一審判決およびこ控訴審判決の判断が分かれていたが、本判決は、(ウ)の内容を職務内容および変更範囲に関連する事情に限定しないと判示し、控訴審判決よりもさらに広く考慮事情を認めると判示した。

 また、本件においては、定年後再雇用の有期契約労働者と定年前の正社員の労働条件の相違について労契法20条の適用の可否が問題になった。この点、定年後再雇用においては、定年後も定年前と(あ)職務の内容、(イ)当該職務の内容およびはいちの変更の範囲が同じであるケースは多く見られるため、一審判決の判断基準に従えば特段の事情がない限り、定年後再雇用の有期契約社員であるという事情を(ウ)の事情として考慮すすべきと判示し、定年前と定年後再雇用の労働条件の相違を許容する途を確保したといえる。

【2】合理性・不合理性の判断

 もっとも、仮に上記の基準を前提としても、定年後再雇用の有期契約労働者については、現実問題として定年前と同じ業務に就かざるを得ないケースが多く、定年前の正社員当時の無期契約労働者との不合理な差別が問題になった場合に、(ア)職務の内容の同一性が認められる可能性が高い。したがって、定年後再雇用の有期契約労働者の労働条件を定年前より引き下げた場合に、これについて不合理とはいえないようにする対応策の一つとして、(イ)当該職務の内容および配置の変更の範囲について、定年後再雇用の有期契約労働者に対しては、配置転換は行わない旨、就業規則に明記し、定年前との相違を明確にすべきである。

【3】個々の労働条件の要素について

 控訴審判決では、賃金の総額から、労契法20条に規定する「不合理」といえるか否か検討しており、個別の労働条件について検討はしていなかった。しかし本判決では、賃金の総額だけではなく、各賃金項目の趣旨を個別に考慮すべきと判示し、実際には、個々の労働条件ごとに判断している。これはこれまでの他の裁判例の流れに沿った判断といえ、本判決の確定により、今後もこの流れが維持されることになるだろう(もっとも、本判決も、総額比較を完全に否定したわけではない。)

 個々の手当については、その趣旨や待遇差より、相違を設けることが不合理化否か判断している。特に本判決では、定年後再雇用の有期契約労働者であることから、老齢厚生年金が支給され得ることや、Y社が調整手当を支給していたことを考慮要素にしていたなど、定年帆再雇用、あるいはY社に固有の事情を考慮要素として挙げている手当が見られる。これらの事情については、他社の事例において妥当とするとは限らないため、各社において手当ごとの趣旨や差の程度について慎重に検討する必要がある。

【4】労契法20条違反の効力

 本判決では、労契法20条に違反した場合であっても、直ちに正社員と同一の労働条件になるものではないとして、補充効を否定しており、妥当な判断といえる。

 もっとも。本判決では、労契法20条違反となった手当については、不法行為に基づく損害賠償請求を認め、正社員であれば支給された金額全額について損害を認めている。また、不法行為の要件たる過失については、労働組合から嘱託乗務員の労働条件の改善を求められていたという経緯を理由に過失を認めている。これ以上の判示がないため、詳細は不明であるが、不合理性の判断が容易でないことに照らせば、事案によっては、過失が認定できないケースもあるのではないかと思われる。また、損害額については、正社員であれば支給を受けることができた額をすべて損害と認めているが、本判決も認めうるとおり、労契法20条は均衡処遇を求める規定であり、「同一」の処遇を求めるものではない。それにもかかわらず、損害額として、正社員であれば支給を受けることができた額の全額を認定したことは、法律の趣旨に合致していないと考える余地がある。もっとも、最高裁においてこのような判断が出た以上、今後の労契法20条に関する裁判において、不合理を判断された手当について、正社員であれば得られた金額全額の損害賠償が認められるケースが増えてくることが予想される。

不合理な待遇差解消のための点検・検討マニュアル

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不合理な待遇差解消のための点検・検討マニュアル(業界別マニュアル)

業界共通版

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まず、最初に行うことは

1.会社に、どのような社員がいるのか確認し、

2.不合理な待遇差があるのか否かを確認します。

3.対象となる待遇は全ての待遇ですが、具体的には次の通りです。

・基本給

・賞与

・手当

・福利厚生

・その他(教育訓練、安全管理等)

4.判断の方法は

①「職務の内容(業務の内容、責任の程度)」、「職務の内容・配置の変更の範囲」 からみて均等待遇の対象(両者が同じ場合)か、均衡待遇の対象(それ以外の 場合)かを判断。

②均等待遇の場合は差別的取扱いの有無を判断。差別的取扱いは禁止。

③均衡待遇の場合は、個々の待遇ごとに、当該待遇の「性質・目的」に照らして、 「職務の内容(業務の内容、責任の程度)」、「職務の内容・配置の変更の範囲」、「そ の他の事情」の3考慮要素のうち適切と認められるものに基づき判断。その考 慮要素の違いからみた不合理な待遇差の禁止。

具体的には

不合理な待遇差を点検・検討する際の枠組みと留意点について事業主がそ れに沿って不合理な待遇差がないかを点検・検討し、対応策を検討するための望ましい手順の全体の流れ は次の通りです。

1.第一段階

社内の労働者を社員タイプごとに区分し、それぞれの社員タイプの特徴を「労働契約期間」・「1週間 の労働時間」をもとに整理します。これよって、パートタイム・有期雇用労働法の対象となる労働者を 雇用しているかを確認します。 ◇「均等待遇」、「均衡待遇」の対象となる労働者を確認します。

2.第二段階

社員タイプごとに、個々の待遇の「適用の有無」と「決定基準」を整理し、通常の労働者と短時間・ 有期雇用労働者との間での「違い」を確認します。

3.第三段階

個々の待遇ごとに以下の手順で均等・均衡を点検します。

☆均等待遇の対象となる短時間・有期雇用労働者に対しては、全ての待遇について決定基準が通常の 労働者と「同一」であるかを確認します。

☆均衡待遇の対象となる短時間・有期雇用労働者に対しては、「適用の有無」あるいは「決定基準」に「違 い」がある場合には

(a) 当該待遇の「性質・目的」を確認・整理し

(b)「性質・目的」に適合する考慮要素を3考慮要素の中から特定し

(c) その考慮要素に基づき、「違い」を適切に説明できるかを検討します

4.第四段階

均等待遇の場合で待遇の決定基準が異なる場合や、均衡待遇の場合で「違い」が適切に説明できな い場合には、是正策を検討します。

ますは、イノキュウにご相談ください

厚生労働省作成の

「不合理な待遇差解消のための点検・検討マニュアル」

113268_08-共通版.indd (mhlw.go.jp)

を使用して、自社で点検することをお勧めいたします。

しかし、自社での点検は、なかなか、たいへんです。

まずは、イノキュウにご相談ください。

お話を伺い、点検方法等、提案させていただきます。

 

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