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(1)安全衛生管理体制
労働安全衛生法では、労働災害を防ぎ、事業者の自主的な安全衛生活動を確保するため、図1-10 のような安全衛生管理体制を整備することが義務づけられています。
安全衛生管理体制は、事業場の従業員全員が協力して安全衛生を進めていくために必要なものです。
事業者: 法人であれば当該法人、個人企業であれば事業経営者を指し、法人である会社自体が労働安全衛生法の定める措置を講じる責任を負わされます。
総括安全衛生管理者: 労働安全衛生法上、常時 300 人以上の労働者を使用する自動車整備業の事業場で、事業全体の責任者から選任し、事業場全体の安全衛生管理を統括したり、安全管理者、衛生管理者を指揮する者です。
総括安全衛生管理者の職務
① 労働者の危険又は健康障害を防止するための措置に関すること
② 労働者の安全又は衛生のための教育の実施に関すること
③ 健康診断の実施その他健康の保持増進のための措置に関すること
④ 労働災害の原因の調査及び再発防止対策に関すること
⑤ 安全衛生に関する方針の表明に関すること
⑥ 危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置に関す
ること
⑦ 安全衛生に関する計画の作成、実施、評価及び改善に関すること
安全管理者: 労働安全衛生法上、常時 50 人以上の労働者を使用する事業場で選任が義務づけられています。安全管理者に選任されるには、一定の資格(労働安全衛生法第 11 条第1項、規則第5条)が必要です。安全管理者は、総括安全衛生管理者又は事業者を補佐する者で、総括安全衛生管理者の業務のうち安全に係る技術的事項を管理する者として位置づけられています。
安全管理者の職務
① 建設物、設備、作業場所又は作業方法に危険がある場合における応
急措置又は適当な防止の措置
② 安全装置、保護具その他危険防止のための設備・器具の定期的点検
及び整備
③ 作業の安全についての教育及び訓練
④ 発生した災害原因の調査及び対策の検討
⑤ 消防及び非難の訓練
⑥ 作業主任者その他安全に関する補助者の監督
⑦ 安全に関する資料の作成、収集及び重要事項の記録
⑧ 他の事業場の労働者と混在して作業を行う場合における安全に関
し、必要な措置
衛生管理者: 労働安全衛生法上、常時 50 人以上の労働者を使用する事業場で選任が義務づけられています。衛生管理者には、一定の資格(労働安全衛生法第 12 条第1項、規則第 10 条)が必要です。衛生管理者は、総括安全衛生管理者又は事業者を補佐する者で、総括安全衛生管理者の業務のうち衛生に係る技術的事項を管理する者として位置づけられています。
衛生管理者の職務
① 健康に異常のある者の発見及び処置
② 作業環境の衛生上の調査
③ 作業条件、施設等の衛生上の改善
④ 労働衛生保護具、救急用具等の点検及び整備
⑤ 衛生教育、健康相談その他労働者の健康保持に必要な事項
⑥ 労働者の負傷及び疾病、それによる死亡、欠勤及び移動に関する統計の作成
⑦ 他の事業場の労働者と混在して作業を行う場合における衛生に関し必要な措置
⑧ その他衛生日誌の記載等職務上の記録の整備等
産業医: 労働安全衛生法上、常時 50 人以上の労働者を使用する事業場で、資格者(医師で一定の研修修了者等)からの選任が義務づけられています。産業医は、労働者の健康診断の実施及びその結果に基づく労働者の健康を保持するための措置、労働者の健康障害の原因の調査と再発防止のための対策の樹立等労働者の健康管理を行うこととしています。
産業医の職務
① 健康診断及び面接指導等の実施並びにこれらの結果に基づく労働者
の健康を保持するための措置に関すること
② 作業環境の維持管理に関すること
③ 作業の管理に関すること
④ 労働者の健康管理に関すること
⑤ 健康教育、健康相談その他労働者の健康の保持増進を図るための措置に関すること
⑥ 衛生教育に関すること
⑦ 労働者の健康障害の原因の調査及び再発防止のための措置に関すること
安全衛生推進者: 労働安全衛生法上、常時 10 人以上 50 人未満の労働者を使用する事業場で、資格者(一定の学歴と実務経験等)からの選任が義務づけられています。安全衛生推進者は、安全管理者又は衛生管理者と同様の業務を担当する者として位置づけられています。
安全衛生推進者の職務
① 労働者の危険又は健康障害を防止するための措置に関すること
② 労働者の安全又は衛生のための教育の実施に関すること
③ 健康診断の実施その他健康の保持増進のための措置に関すること
④ 労働災害の原因の調査及び再発防止対策に関すること
⑤ 安全衛生に関する方針の表明に関すること
⑥ 危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置に関すること
⑦ 安全衛生に関する計画の作成、実施、評価及び改善に関すること
安全・衛生委員会: 労働安全衛生法上、常時 50 人以上の労働者を使用する事業場では、危険防止の基本対策、健康障害防止の基本対策等を審議し労働者の意見を聴く場として安全・衛生委員会の設置が義務づけられています。
安全・衛生委員会の審議事項
① 労働者の危険及び健康障害を防止するための基本となるべき対策に関すること
② 労働災害の原因及び再発防止対策で、安全及び衛生に係るものに関すること
③ 労働者の健康の保持増進を図るための基本となるべき対策に関すること
④ 安全衛生に関する規程の作成に関すること
⑤ 危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置のうち、安全及び衛生に係るものに関すること
⑥ 安全衛生に関する計画の作成、実施、評価及び改善に関すること
⑦ 安全衛生教育の実施計画の作成に関すること
⑧ 化学物質の有害性の調査並びにその結果に対する対策の樹立に関すること
⑨ 作業環境測定の結果及びその結果の評価に基づく対策の樹立に関すること
⑩ 定期に行われる健康診断、臨時の健康診断、自ら受けた健康診断及びその他
の医師の診断、診察又は処置の結果並びにその結果に対する対策の樹立に関する
こと
⑪ 労働者の健康の保持増進を図るため必要な措置の実施計画の作成に関すること
⑫ 長時間にわたる労働による労働者の健康障害の防止を図るための対策の樹立に関すること
⑬ 労働者の精神的健康の保持増進を図るための対策の樹立に関すること
⑭ 労働基準監督署長等から文書により命令、指示、勧告又は指導を受けた事項のうち、
労働者の危険の防止及び労働者の健康障害の防止に関すること
安全衛生懇談会: 安全委員会や衛生委員会の設置が義務づけられていない事業場においては、関係労働者の意見を聴く機会を設けるようにしなければなりませんので、安全衛生懇談会等を設けることをお勧めします。
(2)労働者の就業に当たっての措置
自動車整備業においては、免許を受けた者、技能講習修了者など一定の資格を有する者でなければ当該業務に従事できないこととなっています。
(法:労働安全衛生法、 令:同法施行令、 安規:労働安全衛生規則)