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高齢者介護、地域の窓口「包括支援センター」の役割
高齢者介護、地域の窓口「包括支援センター」の役割
高齢になると誰でも体の機能が衰えます。普段の暮らしで誰かの助けが必要なときには、介護サービスを利用するのも一案です。公的介護保険を利用すれば自己負担額を抑えられます。窓口となるのは最寄りの「地域包括支援センター」です。
Q 地域包括支援センターとはどのような施設ですか。
A 高齢者の様々な困りごとや悩みに対応する地域の拠点です。市区町村の窓口で介護サービスについて問い合わせると、相談先として紹介されることもあります。各施設には主任介護支援専門員(ケアマネジャー)や保健師、社会福祉士といった専門家が配置されています。
Q 私の家の近所にもあるのでしょうか。
A 全国に5400カ所以上あり、おおむね中学校の学区にひとつの割合で存在します。運営主体は市区町村ですが、社会福祉法人など外部に委託するケースも少なくありません。「高齢者あんしんセンター」「おとしより相談センター」など別の呼び名の地域もあります。介護の現場などではしばしば「包括」と呼ばれます。
Q 介護が必要になったら相談に行けばよいのでしょうか。
A 地域包括支援センターの大きな役割の一つが公的な介護保険の利用支援です。介護保険を利用すれば自己負担1~3割で介護サービスを受けられますが、制度は複雑で様々な手続きが必要です。
Q 介護保険の手続きについて教えてください。
A 介護保険を利用できるのは、人の手を借りずに自分だけで日常生活を送るのが難しい人(要介護)、日常生活の基本的なことは自分でできるが部分的に手助けが必要な人(要支援)などです。市区町村から「要介護認定」を受けなければなりません。高齢者側が自治体に申請し、担当の職員らが高齢者の住まいを訪れ心身の状況を聞き取り調査する「認定調査」などの手続きが必要です。
Q すぐには利用できないのですね。
A 一連の手続きでは地域包括支援センターが手助けをしてくれます。例えば要介護認定の申請を本人ができず、家族が遠くに住んでいる場合は申請を代行します。本人や家族が望めば認定調査への立ち会いをする場合もあります。
Q ほかにもありますか。
A 必要な介護の程度が比較的低い「要支援」と判定された場合には介護計画(ケアプラン)を作ります。介護サービスは食事や入浴など日常生活上の介護、調理や洗濯などの生活援助など多岐にわたります。本人や家族と話し合って案を作り、サービス事業者らも交えた会議を開きプランを決めます。利用開始後は介護サービスがその人の状況に合っているかなどを定期的に訪ねて確認します。
Q 介護の必要が高い場合は。
A 要介護の人は地域にある「居宅介護支援事業者」のケアマネジャーがケアプランを作ります。担当するケアマネジャーを選ぶのが難しいときには地域包括支援センターが探すのを手伝ってくれることもあります。
Q 介護サービス以外にはどのような支援があるのですか。
A お金の管理に不安がある人には成年後見制度の利用を勧めたり、虐待に遭っている高齢者がいれば家庭訪問をしたりします。地域のケアマネジャーの支援や、孤立や認知症をはじめとする地域の課題にどう対応するかを専門家や近所の人などで話し合う「地域ケア会議」の開催などもします。
Q 役割は多いのですね。
A 高齢者が住み慣れた場所で暮らし続けるには、地域で支える必要があります。地域包括支援センターは外部の専門家などと高齢者をつなぐのが役割といえます。介護の情報提供をするNPO法人「となりのかいご」代表理事の川内潤氏は「本格的に介護が必要になる前から相談しておくと、手続きがスムーズになりやすい」と言います。
(土井誠司)
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高齢者介護、地域の窓口「包括支援センター」の役割 10分34秒
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